家康公も登った?久能山東照宮の階段が過酷な理由と1159段の先にあるご利益

静岡県にある久能山東照宮。ここは1159段という、気の遠くなるような長い石段があることで知られています。

「運動不足の自分でも登り切れるかな?」「わざわざ登る価値はあるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。

この記事では、なぜこれほど階段が大変なのかという理由から、その先で得られる特別なパワー、そして無理なく参拝するコツまで分かりやすくお伝えします。

読み終える頃には、徳川家康公が愛した駿河湾の絶景を目指して、一歩を踏み出したくなるはずです。

なぜ階段は1159段もあるのか?久能山東照宮が要塞だった理由

久能山東照宮を訪れようとして「1159段」という数字を目にすると、誰だって少し身構えてしまいますよね。

実はこの過酷な階段には、ただ参拝を難しくするためだけではない、歴史的な深い理由が隠されています。

もともとこの場所は、戦国時代に武田信玄が城を築いたほど、守りに適した険しい山でした。

家康公が眠る場所として選ばれた後も、その「守りの固さ」は大切に引き継がれたのです。

1. 敵を寄せ付けないための急勾配な「表参道」

表参道の石段を見上げると、まるで壁のようにそびえ立っているのが分かります。

これは、もし敵が攻めてきても簡単に登れないように設計された、お城の名残とも言える構造です。

一段の高さもまばらで、登るのにはかなりの集中力が必要になります。

自分たちの主君である家康公を静かに守り続けるために、この険しさは必要不可欠なものだったのです。

2. 語呂合わせで「いちごいちえ」と親しまれる秘密

1159という数字、実は地元では「いちごいちえ(1159)」という語呂合わせで呼ばれています。

一生に一度の出会いを大切にする「一期一会」とかけた、とても粋な呼び名です。

単に「辛い階段」と思うのではなく、一歩一歩に素敵な出会いがあると考えれば、少し足取りも軽くなるかもしれません。

登り切ったとき、隣で励まし合った見知らぬ参拝客と笑顔で会釈を交わすような、温かい光景がここではよく見られます。

3. 徳川家康公の遺言に従って選ばれた標高216メートルの地

家康公は亡くなる直前、「遺体は久能山に葬るように」という遺言を残しました。

標高216メートルのこの地は、富士山を望み、江戸(東京)を背後から守る絶好の位置にあります。

家康公にとって久能山は、平和な世の中をずっと見守り続けるための、特別な見張り台のような場所だったのでしょう。

だからこそ、あえて高い場所に鎮座し、私たちはそこへ会いに行くという形が取られているのです。

1159段を登り切った先で待っている最強のご利益

息を切らしてようやく辿り着いた境内。そこには、下から見上げただけでは分からない特別な空気が流れています。

家康公は、戦乱の世を終わらせて260年以上も続く平和な時代の礎を築いた人です。

その強力なリーダーシップと強運にあやかろうと、今も多くの人がこの山を登ります。

具体的にどのようなパワーをいただけるのか、3つのポイントで見ていきましょう。

1. 出世運や勝負運を上げたいときに訪れるべきポイント

「ここ一番の勝負に勝ちたい」「仕事でステップアップしたい」という願いを持つなら、本殿(社殿)をしっかり参拝しましょう。

家康公は数々のピンチを乗り越えて天下を取った、まさに「逆転勝利」の神様です。

自分自身の努力を家康公に報告するつもりで手を合わせると、不思議と勇気が湧いてきます。

どん底から這い上がって頂点を極めたエネルギーは、何かを変えたいと願う人の背中を強く押してくれるはずです。

2. 健康長寿を願うなら家康公の生き方に学ぶ

家康公は、当時としては驚くほど長生きな75歳まで生きた、健康マニアでもありました。

薬を自分で調合したり、粗食を心がけたりと、日々の体調管理を徹底していたと言われています。

本殿のさらに奥にある「神廟(しんびょう)」というお墓の前では、健康で長く人生を楽しむためのパワーをいただけます。

自分の体と向き合いながら1159段を登ってきたその行動自体が、すでに健康への第一歩になっているとも言えますね。

3. 駿河湾を一望できる場所で「天下人の視点」を体験する

参拝を終えたら、ぜひ振り返って眼下に広がる駿河湾を眺めてみてください。

キラキラと輝く海と、ビニールハウスが並ぶのどかな風景は、まさに絶景の一言です。

かつて家康公も見たであろうこの景色を眺めていると、日々の小さな悩みがどうでもよくなってくるから不思議です。

広い視野を持って物事を捉える「天下人の視点」をもらうことで、明日からの生活が少し前向きに変わるかもしれません。

徳川家康公と久能山東照宮を結ぶ深い歴史

東照宮といえば栃木県の日光を思い浮かべる人が多いですが、実は最初に家康公が葬られたのはここ久能山です。

江戸時代の始まりを象徴するこの場所には、教科書には載っていないようなドラマがあります。

なぜ日光ではなく、まず久能山だったのか。その歴史を知ると、社殿の輝きがより一層深く感じられるようになります。

1. 遺骸が最初に埋葬された日本で最初の東照宮

1616年4月、家康公は駿府城(現在の静岡市)で亡くなり、その日の夜に久能山へ運ばれました。

遺言通り、西を向いて葬られた家康公は、今も豊臣家ゆかりの地である西国を見守っていると言われています。

日光へ改葬された後も、ここには家康公の精神が残り続け、特別な聖地として守られてきました。

いわば「東照宮の元祖」であり、徳川幕府にとっての原点ともいえる場所なのです。

2. わずか1年7ヶ月で完成した豪華絢爛な「権現造」の社殿

現在残っている社殿は、当時の最高の技術を駆使して、わずか1年7ヶ月という驚異的な速さで作られました。

本殿と拝殿を「石の間」という通路でつなぐ「権現造(ごんげんづくり)」というスタイルです。

漆を何回も塗り重ね、金箔や鮮やかな彩色を施した建物は、まさに芸術品。

当時の職人たちが、自分たちのリーダーのために最高のものを作ろうとした情熱が、400年以上経った今も伝わってきます。

3. 江戸幕府の平和を260年支えた精神的な拠点

久能山東照宮は、単なるお墓ではなく、江戸幕府という組織を束ねる心の支柱でした。

歴代の将軍たちはここを大切にし、定期的に使者を送って平和を祈り続けてきたのです。

私たちが今、平和な日本で暮らせているルーツの一つが、ここにあると言っても過言ではありません。

歴史の重みを感じながら歩くことで、1159段の疲れも「必要なプロセス」だと思えるようになります。

階段かロープウェイか?久能山東照宮へのアクセス方法

久能山東照宮へ行くには、大きく分けて2つの方法があります。

体力を使い切って達成感を味わうか、景色を楽しみながら快適に向かうか。

どちらが正解ということはありませんが、自分の体力やその日の天候に合わせて選ぶのが一番です。

それぞれのルートの特徴を分かりやすくまとめてみました。

ルート名出発地点特徴おすすめな人
表参道ルート久能山下(海側)1159段の階段を自力で登る。体力に自信がある、達成感を味わいたい。
日本平ルート日本平山頂ロープウェイで約5分。景色を楽しみたい、体力を温存したい。

1. 1159段に挑戦するならJR静岡駅からバスで向かうルート

階段ルートを選ぶなら、まずはJR静岡駅からバスで「久能山下」まで向かいましょう。

バスを降りると、すぐに大きな鳥居と、その先に続く石段が見えてきます。

登るペースにもよりますが、だいたい20分から40分ほどで頂上に着きます。

海からの風を感じながら、一段ずつ確実に登っていく時間は、自分を見つめ直す良い機会になりますよ。

2. 体力に自信がなくても大丈夫!日本平からロープウェイを使う

「足腰が不安だけど、国宝の社殿は見たい」という方は、日本平ロープウェイを使いましょう。

日本平山頂から久能山まで、深い谷を越えながら一気に移動できます。

ロープウェイの窓からは、屏風のように切り立った崖や駿河湾を一望でき、空中散歩のような楽しさがあります。

5分ほどで東照宮の入り口に着くので、小さなお子様連れやご年配の方でも安心です。

3. どちらのルートが自分に合っているか見極める目安

実は、「行きはロープウェイ、帰りは階段」という選択はあまりおすすめできません。

なぜなら、表参道の入り口(海側)とロープウェイの乗り場(山側)は、山の反対側に位置しているからです。

車やバスをどこに停めたかによって、自動的にルートが決まることが多いので注意しましょう。

しっかり汗をかいてお参りしたいなら海側から、観光として優雅に楽しみたいなら山の上からと決めるのがコツです。

国宝に指定された社殿で注目すべき見どころ

2010年、久能山東照宮の社殿は国宝に指定されました。

豪華な金箔の装飾はもちろん素晴らしいのですが、細かな彫刻の一つひとつに「意味」があることをご存知でしょうか。

ただ通り過ぎてはもったいない、家康公の想いが込められた細部を詳しく見ていきましょう。

知識を持って眺めるだけで、参拝の楽しさが何倍にも膨らみます。

1. 色鮮やかな彫刻に込められた平和への願い

社殿をぐるりと見渡すと、鳥や花、そして架空の動物たちの彫刻がたくさん並んでいます。

例えば、争いごとのない平和な世の中にしか現れないとされる「鳳凰(ほうおう)」や「麒麟(きりん)」などです。

これらは、戦国時代の終わりと、これからの平和を願う気持ちを形にしたものです。

一つひとつの彫刻が、まるで生きているかのような躍動感を持って、私たちに語りかけてくるようです。

2. 家康公の遺品が並ぶ博物館で本物の歴史に触れる

社殿の近くには「久能山東照宮博物館」があり、徳川家に伝わる貴重な品々が展示されています。

家康公が実際に使った眼鏡や鉛筆、さらには当時のヨーロッパから贈られた時計など、驚くようなお宝ばかりです。

本物の遺品を目の前にすると、家康公が架空の人物ではなく、確かにこの時代を生きていた人間だったのだと実感できます。

歴史が苦手な方でも、洗練されたデザインの武具や工芸品を見るだけで十分に楽しめる場所です。

3. 逆柱(さかばしら)を探して建物が長持ちする知恵を知る

拝殿の柱の中に、一本だけ模様が逆さまになっている「逆柱」があるのを知っていますか。

これは「建物は完成した瞬間から崩壊が始まる」という考えから、あえて一箇所を未完成にすることで、建物の寿命を延ばそうとした魔除けの工夫です。

完璧すぎるとあとは落ちるだけだから、少しだけ隙を残しておく。

そんな江戸時代の職人たちの謙虚な知恵は、現代の私たちの生き方にも通じるものがありますね。

参拝の証に残したい御朱印とおすすめの受け取り方

登り切った達成感とともにいただく御朱印は、まさに努力の結晶です。

久能山東照宮の御朱印は、その歴史の重みにふさわしい、凛とした美しさがあります。

受け取りの際、慌てないためのポイントを整理しておきましょう。

旅の思い出を形にするための、ちょっとしたアドバイスです。

1. 期間限定のデザインや家紋が入った特別な御朱印

通常の御朱印に加えて、季節やイベントに合わせた特別な御朱印が用意されることもあります。

徳川家の家紋である「三つ葉葵」が誇らしげに押されたデザインは、やはり特別感があります。

見開きの大きなものや、切り絵のような繊細なデザインが登場することもあるので要チェックです。

その時、その場所でしか出会えない一枚は、あなたの参拝をより思い出深いものにしてくれます。

2. 社務所の場所と受付時間を事前に確認しておく

御朱印は、社殿のすぐ近くにある社務所(授与所)でいただくことができます。

お参りを済ませてからお願いするのがマナーですので、まずはしっかりと手を合わせましょう。

特に週末や大型連休は、御朱印を待つ人で列ができることもあります。

時間に余裕を持って行動し、神聖な場所での待ち時間も「心を落ち着かせる時間」として楽しめるといいですね。

3. 御朱印帳を忘れたときに役立つ「書き置き」の受け取り

もし御朱印帳を家に忘れてしまっても、がっかりする必要はありません。

あらかじめ紙に書かれた「書き置き」の御朱印も用意されているので、そちらをいただきましょう。

帰宅してから自分の御朱印帳に丁寧に貼れば、それは立派な参拝の記録になります。

久能山オリジナルの御朱印帳も販売されているので、この機会に新しく一冊作り始めるのも素敵です。

1159段を楽しく登り切るための具体的な動き

「やっぱり階段に挑戦してみたい!」と思ったあなたへ。

1159段を笑顔で登り切るためには、精神論だけでなく、具体的な準備が大切です。

途中でリタイアせず、頂上での絶景を最高のコンディションで楽しむためのポイントを3つお伝えします。

これさえ守れば、過酷な階段も心地よい運動に変わります。

1. 足元はスニーカーが鉄則!滑りやすい石段への対策

久能山の石段は、長年の参拝者によって角が取れ、場所によっては少し滑りやすくなっています。

サンダルやヒールのある靴は避け、必ず履き慣れたスニーカーで行きましょう。

靴紐をしっかり結ぶだけで、足首への負担がぐっと軽くなります。

足元を安定させることが、1159段を安全に楽しむための最大の秘訣と言っても過言ではありません。

2. 季節に合わせた飲み物とこまめな休憩のタイミング

「まだいける」と思っても、5分おきくらいに立ち止まって呼吸を整えるのがコツです。

一度にたくさん登るよりも、小刻みに休みを取った方が、結果的に疲れを残さず早く登れます。

特に夏場は、想像以上に汗をかきますので水分補給は必須です。

水筒やペットボトルを一本持参し、途中のベンチなどで景色を眺めながら一口ずつ飲みましょう。

3. 駿河湾を見下ろす絶景ポイントで足を止めてみる

登っている最中、ずっと足元ばかり見ていてはもったいないですよ。

時々くるっと後ろを振り返ってみてください。

石段の隙間から見える青い海が、段数を重ねるごとにどんどん広く、高くなっていきます。

その変化を楽しみながら登ることで、階段という「作業」が「絶景ハイク」へと変わっていくはずです。

まとめ:天下人のパワーを自分のエネルギーに変える

久能山東照宮の1159段は、確かに楽な道ではありません。

しかし、その一歩一歩に家康公を守ろうとした人々の想いや、平和への願いが込められています。

  • 敵を防ぐための要塞だった歴史が、今の急な階段を作っている。
  • 1159段を「いちごいちえ」と呼び、出会いを楽しみながら登る。
  • 登り切った先には、出世や長寿といった強力なご利益が待っている。
  • 家康公が最初に葬られた「始まりの東照宮」としての重みを感じる。
  • 体力に合わせて、階段ルートかロープウェイルートかを賢く選ぶ。
  • 国宝の社殿にある「逆柱」などの細かな知恵を探してみる。
  • 参拝の後は、駿河湾の絶景を眺めて天下人の視点を体験する。

まずは、汚れてもいい履き慣れたスニーカーを用意することから始めてみませんか。

家康公が愛した久能山の空気を吸い込めば、明日からのあなたの毎日もきっと力強く動き出します。

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